なぜ花の新品種開発が必要?日本の花生産の現状から考える仕事の価値
- tsmtchpsagyo2023
- 5月15日
- 読了時間: 11分
こんにちは、山梨県北杜市のTSメリクロン株式会社です。
花の仕事と聞くと、花屋さんでの販売や、フラワーデザインの仕事を思い浮かべる方が多いかもしれません。
しかし、私たちが日常で目にしている花の背景には、生産者、市場、流通、花屋、そして新品種を生み出す仕事があります。
なかでも花の新品種開発は、表からは見えにくいものの、日本の花生産を支える大切な役割を担っています。
農林水産省の資料では、花きの産出額は令和4年で3,684億円、農業総産出額の4.1%を占めるとされています。
また、花き産出額の内訳では切り花類が約6割を占めており、切り花を支える品種や苗の重要性は今後も大きいと考えられます。
この記事では、日本の花生産の現状を踏まえながら、なぜ花の新品種開発が必要なのかを、専門知識がない方にもわかりやすくお伝えします。
【この記事のポイント】
✅ 日本の花生産では、品質や安定供給を支える品種の役割が重要
✅ 花の新品種開発は、失敗と選抜を繰り返しながら進む仕事
✅ 市場や花屋、生産者の声が、新しい花の価値を変えることがある
✅ 花は商品であると同時に、人の人生や思いに寄り添う存在
【こんな方におすすめ】
1.花や農業に関わる仕事の意味を深く知りたい方
2.自然の中で働く仕事に興味がある方
3.0から新しいものを生み出す仕事に魅力を感じる方

1|日本の花生産の現状と新品種開発が必要とされる理由
花は暮らしを彩るだけのものではない
花は、日常のインテリアや贈り物として親しまれています。
ただ、花の役割はそれだけではありません。
誕生日、結婚式、卒業、送別、弔いの場面。人生の節目には、言葉だけでは伝えきれない思いを花が支えることがあります。
だからこそ、花は単なる商品ではなく、人の記憶や感情と結びつく存在です。
その花を安定して届けるためには、生産現場を支える品種や苗の力が欠かせません。
日本の花生産は変化の中にある
日本の花生産は、気候や需要、流通、担い手の変化と向き合いながら続いています。
しかし、近年では高温による生産の不安定化や国内生産、消費の縮小が課題として示されています。
こうした変化の中では、これまでと同じ品種だけでは対応しきれない場面が出てきます。
暑さに対応しやすいこと、育てやすいこと、出荷しやすいこと、そして市場で選ばれること。
新品種開発は、こうした課題に向き合うための仕事でもあります。
品種が変わると現場も変わる
花の品種が変わると、生産者の作業性や収量、市場での評価も変わります。
つまり新品種開発は、見た目の美しさだけを追う仕事ではありません。
どれだけ美しい花でも、育てにくければ生産者には広がりにくくなります。
反対に、扱いやすく、魅力が伝わりやすい品種であれば、花屋やフローリストの表現の幅も広がります。
花の新品種開発が必要とされる理由は、ここにあります。
新しい花を生み出すことは、生産現場と消費現場の両方を支えることにつながります。
2|花の新品種開発は成功より失敗が多い仕事
すぐに結果が出る仕事ではない
花の新品種開発は、短期間で答えが出る仕事ではありません。
交配を行い、種を取り、苗を育て、試験栽培を重ねる中で、ようやく候補が見えてきます。
しかし、多くの候補は途中で選ばれずに終わります。
色が思ったように出ない、形が安定しない、育てにくい、市場で評価されにくい。
そうした理由で、次の段階へ進めないものも少なくありません。
毎年多くの候補と向き合いながら、その中から本当に残せるものを見極めていく。
この地道な積み重ねが、新しい花を生み出す土台になります。
研究というより世の中にないものを探す仕事
花の新品種開発には、研究的な要素があります。
育種や培養、試験栽培には専門性が必要です。
この仕事は、単なる研究職とは少し異なります。
机の上で正解を探すというより、自然と植物と人の声の中から、まだ世の中にない可能性を探していく仕事です。
うまくいかない結果にも意味があります。
なぜうまくいかなかったのか、次に何を見直すべきか。
その積み重ねの先に、ようやく新しい品種の候補が見えてきます。
苦労があるからこそ面白い
花の開発は、成功より失敗の方が多い仕事です。
だからこそ、思いがけない形で良い特徴が見つかったときの喜びは大きくなります。
自分たちが見守ってきた花が、少しずつ形になっていく。
そして、その苗が生産者のもとへ渡り、その花が市場に出て、花屋に並ぶ。
その瞬間には、長い時間をかけてきた意味が一気に現実になります。
簡単ではないからこそ、花の新品種開発には独自の面白さがあります。
3|日本の花生産で求められる新品種は現場の声から見えてくる
良い花と売れる花は同じとは限らない
開発側が「良い花だ」と感じるものが、そのまま市場で受け入れられるとは限りません。
花は美しさだけでなく、使いやすさ、日持ち、丈、色の合わせやすさ、出荷時の扱いやすさなど、さまざまな視点で評価されます。
生産者にとっては、育てやすさや収量の安定が大切です。
花屋やフローリストにとっては、デザインに使いやすいかどうかが大きな判断材料になります。
だからこそ、新品種開発では市場や生産者の声を聞くことが欠かせません。
雲竜の事例から見えた市場ニーズ
TSメリクロンで開発した品種に「雲竜」があります。
この品種は、デザイン性は美しいものの、丈が長く出にくいという特徴がありました。
切り花の市場では、一般的に丈が長い方が使い勝手が良く、売れやすいと考えられています。
そのため開発当初は、生産量が大きく伸びていたわけではありませんでした。
しかし、実際に花屋へヒアリングを行うと、想像とは違う反応がありました。
「綺麗だから丈が短くても扱いたい」という声が多くあったのです。
その声をきっかけに提案の仕方を見直したところ、高値で扱ってもらえるようになり、生産量は200倍に伸びました。
現在では、弊社のこのシリーズでは最も売れている品種となっています。
この経験から学んだのは、市場ニーズは想像だけではわからないということです。
現場の声を聞くことで、品種の価値は大きく変わります。
現場の声が新品種開発を育てる
新品種開発は、開発者だけで完結する仕事ではありません。
生産者、市場、花屋、フローリスト。多くの人の声を受け取りながら、品種の価値は磨かれていきます。
日本の花生産を支えるためには、作る側だけでなく、使う側の視点も欠かせません。
だからこそ、花の新品種開発には、観察力だけでなく、聞く力や理解する力も求められます。
4|日本の切り花の品質と品種が評価される理由
高品質な国産花きへの評価
日本の花きは、生産技術の高さや品質の多様さが評価されています。
農林水産省の基本方針でも、日本の花き生産技術は高い水準にあり、多様で高品質な国産花きは国際的にも評価され、花きの輸出は増加傾向にあると示されています。
この評価は、偶然生まれたものではありません。
生産者の技術、苗の品質、市場の目、そして新品種開発の積み重ねが合わさって成り立っています。
品種は国産花きの価値を支える
切り花の品質は、生産技術だけで決まるものではありません。
どんな品種を育てるかによって、出荷時の見え方や、花屋での使いやすさ、消費者の印象も変わります。
特にスターチスのような切り花は、色や形、質感の違いが表現の幅に直結します。
花屋に並んだとき、フローリストが使ったとき、贈られた人が受け取ったとき。
それぞれの場面で価値を感じてもらえる品種であることが重要です。
新品種開発は、そうした価値を根元から支える仕事です。
海外マーケットへ広げる視点
日本の花が国内だけでなく海外でも評価されるようになると、品種開発の意味はさらに広がります。
国や文化によって、好まれる色や形、使われ方は異なります。
だからこそ、国内市場だけを見ていては気づけない価値もあります。
海外へ紹介されることで、花の可能性が新しく見えてくることもあるでしょう。
花の新品種開発は、地域の生産を支える仕事でありながら、世界へ広がる可能性も持っています。
0から生まれた花が、国を越えて誰かの暮らしを彩る。
その広がりも、この仕事の大きな魅力です。
5|北杜市で花の新品種開発の仕事に関わる意味
自然環境と新品種開発の関係
TSメリクロン株式会社は、八ヶ岳や南アルプスの峰々に囲まれた山梨県北杜市小淵沢町で、スターチスやエキナセアなどの花卉の育種と苗の生産を行う種苗会社です。
花の新品種開発は、自然環境と切り離せません。
北杜市のような自然豊かな環境では、植物の変化を日々感じながら仕事に向き合うことができます。
気温や日照、季節の変化を見ながら、苗を育て、試験を重ねる。
その時間の中で、植物のわずかな違いに気づく力も育っていきます。
未経験から関われる理由
品種開発や培養と聞くと、理系の専門職をイメージする方もいるかもしれません。
しかし、TSメリクロンは、経験不問、未経験の方歓迎、文系理系を問いません。
半年間の研修期間を設け、植物についての基礎知識や苗の育成方法などを丁寧にお伝えしています。
もちろん、簡単な仕事という意味ではありません。
根気強く取り組むこと、細かな違いに気づくこと、新しいものを生み出す意欲を持つことが大切になります。
それでも、興味を持って一つずつ学んでいけば、未経験からでも関われる余地があります。
花の未来をつくる仕事として
TSメリクロンでは、毎年5万株以上の実生苗の中から、花の色や形が美しくユニークで、栽培しやすい品種を選び、培養室へ取り込んで増殖、生産しています。
その中で名前が付き、生産されるようになる品種は、ほんの1から2種類のこともあります。
この仕事は、成功より失敗が多い仕事です。
それでも、世の中にない花を生み出し、生産者へ苗を届け、その先で花屋や作家、暮らしの中へ広がっていく。
花の未来をつくる仕事に関わりたい方にとって、大きなやりがいのある仕事だと感じます。
山梨県北杜市・TSメリクロン株式会社について
1999年創業。山梨県北杜市に拠点を置くTSメリクロン株式会社では、0から新しい花を生み出し、国内外へ広げていく仕事に取り組んでいます。
未経験者の採用実績が多く、異業種から転職してきたメンバーが現場で活躍しています。
実際に、全国各地から応募があり、東京など都市部から移住して入社される方も少なくありません。
環境を変えて働きたい、自然の中で新しいことに挑戦したい。
そうした思いを持つ方が、一歩踏み出す場所として選ばれています。
現場では農家の方々との関わりも多く、日々の仕事を通じて地域とのつながりが生まれていきます。
さらに、開発した花が海外へ紹介される機会もあり、自分たちが関わった品種が世界へ広がっていく可能性があるのも、この仕事の特徴です。
山梨県北杜市ってどんなところ?
山梨県北杜市は、長野県に隣接し、標高約880メートルに位置する、避暑地としても人気の自然豊かな地域です。
夏は比較的涼しく、年間を通して晴天が多いことから、植物の育成や苗づくりに適した環境とされています。
こうした条件から、この地域には種苗会社も多く集まっており、花や植物に関わる仕事をするうえで、非常に恵まれた環境が整っています。
都心から北杜市へ移り住んだスタッフも、日々の暮らしや仕事のしやすさの面で、この土地の過ごしやすさを実感しています。
【求人応募はこちら】
1.募集要項はこちら
2.採用の流れ
① 応募(メール)
② 書類選考
③ 面接(1~2回)
④ 採用
履歴書・職務経歴書・志望動機を添付の上、特設リクルートサイトを見たと書き添えて、下記アドレスへメールを送信下さい。
※ご不明な点もメールにてお問い合わせください。
FAQ
Q1. 未経験でも花の品種開発に関われますか?
最初は不安に感じる方も多いですが、TSメリクロン株式会社では未経験からスタートした社員も多く在籍しています。
基礎から一つずつ学べる環境が整っており、現場で経験を積みながら理解を深めていくことが可能です。
実際に異業種から挑戦しているメンバーも活躍しています。
Q2. 理系でないと難しい仕事ですか?
専門知識が役立つ場面はありますが、それ以上に大切なのは観察力や継続力です。
TSメリクロン株式会社でも、必ずしも理系出身である必要はなく、日々の積み重ねの中で感覚や知識を身につけていく人が多くいます。
興味や好奇心があれば、十分に挑戦できる仕事です。
Q3. どれくらいで成果が出ますか?
花の品種開発は、すぐに結果が出る仕事ではありません。
数年単位で試験や改良を繰り返すこともあります。ただし、その分、自分が関わった花が形になり、市場に出たときの喜びは大きく、TSメリクロン株式会社でもその瞬間をやりがいとして感じている社員が多くいます。
Q4. 仕事のやりがいはどんなところですか?
0から新しい花を生み出し、それが世の中に広がっていくことです。
TSメリクロン株式会社では、開発した品種が国内だけでなく海外へ紹介される機会もあり、自分たちの仕事が広がっていく実感を得られます。
誰かの大切な場面にその花が使われると考えると、仕事の意味がより深く感じられます。
Q5.北杜市の自然で働くことの魅力は何ですか?
TSメリクロン株式会社の拠点である山梨県北杜市は、自然豊かで植物の育成に適した環境です。
自然の変化を身近に感じながら働けるため、仕事と生活がつながる感覚があります。
また、地域の農家の方との関わりを通じて、人とのつながりが広がっていく点も大きな魅力です。
まとめ
花の新品種開発は、日本の花生産を支える仕事です。
失敗を重ねながら、生産者や市場の声を受け取りながら、世の中にない花を形にしていく。
その積み重ねが、誰かの暮らしや人生の節目に届く花になります。
興味がある方は、まず仕事内容を知るところから始めてみてください。



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